参考純率の改定
火災保険に関しては、2014年7月に損害保険料率算出機構による、火災保険の「参考純率」改定がありました。2014年6月に、金融庁長官に届出があり、2014年7月にそれに対する適合性審査結果が通知受領されています。
火災保険の参考純率が改定された理由ですが、「住宅総合保険の参考純率の平均3.5%引き上げ」、「保険期間10年間までの契約に火災保険の参考純率が適用される」、ということになっています。
こうした改定実施は、主に保険金の支払い増加が背景になっています。特に台風、竜巻など台風以外の風災、雹災、雪災などの自然災害、や水漏れ損害(水漏れ損害と建物の老朽化)の保険金の支払いが増加傾向なのです。また、地球の温暖化現象によって自然災害の将来予測についても不確実要素が増しています。
この結果を受けて、当然ながら各損害保険会社も2015年10月から火災保険の改定を進めました。つまり、保険料率改定は、今後の火災保険の加入費用に大きな影響を与えているのです。
保険料率というのは2つに分けられ、「純保険料は、事故発生時の保険金支払いに充当する」、「付加保険料は、保険会社の事業運営のための経費等に充当する」となります。参考純率は、純保険料率に該当する部分を、損害保険料率算出機構が算出および提供しているものです。多くの各損害保険会社はこの算出結果を参考にして修正するわけです。その結果、参考純率の平均3.5%値上によって、火災保険料率の改定と結びついています。
確かに全平均での保険料率が値上げされたわけですが、それでも所在地、構造級別などによっての改定幅にはいろいろバラつきがあります。実は稀ですが、値下げされるケースもあります。値上げの比率が高いのは、もともと木造よりも保険料が安いM構造マンションです。